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No Hung Over

はじまりは、この本だった。
事件がどうの、というよりも、
アル中探偵マット・スカダーとバー。
そしてバーボンを愛でる描写の
文体がクリスプで美しかった。
真似したくて、原書を取り寄せて
試訳もした。

以来、
酒にまつわるミステリ、エッセイをまとめ読み。
一日の終わり。仄暗い灯りのもと、片手にグラス、で
読書する時間のいとおしさといったら。

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『聖なる酒場の挽歌』 ローレンス・ブロック 
"When the Sacred Ginmill Closes" Laurence Block
(2011-B23-0401)



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"A Drop of the Hard Stuff" Laurence Block 
(2011-B27-0417)



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冷酒と刺身、てんぷら、みたいなものばかり頭に浮かんで困った。


『男の作法』 池波 正太郎 
(2011-B31-0516)




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本好き、映画好き、音楽好きを
飽きさせないお酒エッセイ集。
酒場は学校、とさえ思う。
東(あずま)節が健在で嬉しい。

『グラスの縁から』 東 理夫
(2011-B36-0605)



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こんなふうに、飲み物のことばかり
日がな考えていたら楽しいだろうなぁ、と思った。
同じ作者で食べ物づくし、のエッセイも読んでみたくなった。

『飲むほどに酔うほどに』  重金 敦之 
(2011-B38-0606)





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予定調和やワンパターンとは、
裏切られない、ということでもある。
血中ヘミングウェイ濃度が高いが
はるかにライトな
オキ・シローの短編集。

『紐育のドライ・マティーニ』 オキ・シロー 
(2011-B39-0606)


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酒場とか酒が直接のテーマではないのだけれど。
グラスの中に美学を見出すしかなかった
最後の無頼派。

「若い女の子に“KY”という言い方があって 空気が読めない人のことらしい。
『馬鹿言ってるな。なぜいい年して 女、子供の吸ってる空気を読まにゃならんのだ。』 」

うわぁ。これ、言う人と相手を間違えたら、顰蹙を買いかねないだろうに。

『大人の流儀』 伊集院 静  
(2011-B40-0607)



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バーテンダー学、というのがきっとある。
こんなバーテンダーの前では
とぐろなんて巻けない。
由緒正しい
古今東西の酒にまつわるうんちく。

文豪にかかると、酔い心地はこうなる。

『春の花、タイム、ラベンダーの風味、デリケートでソフト。
これを飲むと、まるで月の光の下で音楽をきいているような感じだ』
(サマセット・モーム 『剃刀の刃』) 


飲んだら天使がペンに舞い降りたらいいのに、と
よく思う。


『洋酒うんちく百科』 福西 英三 
(2011-B49-0629 )



これだけ読んでも、二日酔いなし。
No hung over。

カクテルのレシピ、
ワインの銘柄などはからっきし頭に残らない(覚えられない)。
物覚えのわるさのせいでもあり
酔い加減のせいでもあり。
by office_bluemoon | 2011-06-30 00:07 | bar talk (boooze!)