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"Hard-boiled - An Anthology of American Crime Stories"

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 ハードボイルド、というジャンルがアメリカで誕生してから70年(本書刊行当時。
2011年現在、90年余になる)。
 その歴史を時系列に追い、短編を集めたアンソロジー。

 以下、前書きから抜粋、抄訳。
 ハードボイルドの様式美、みたいなもの。

***
 ハードボイルド・クライム・ストーリー(ハードボイルド犯罪小説)が内包する要素とは。

 混乱、不信、不満がテーマ。ヒーロー・ヒロインたちは、政府や権力におもねず、
一匹狼で、はみ出し者。皮肉がちな理想主義者。
 社会は腐敗していると思いながらも正義を信じ、時にはそれを
みずからまっとうしようとする。

 事件そのものや事件の脅威よりも、人の背負う業(ごう)のようなものや
日々の営みに根ざす問題や葛藤が、物語の軸。書かれた時代、舞台となる場所の
土地柄とそこに根ざす人々が正確、かつ率直、リアリスティックに描かれている。

 ことの顛末には常に、社会・政治や道徳的な価値観、規範が反映されている。

 エンターテイメント性だけが、その存在価値(レゾン・デートル)とはならない。

 暴力事件を描いていても、動機なき暴力や快楽のための暴力は決して行使しない。

 どれだけ厳しく、残酷で卑猥であっても「生きた人々が生きた言葉を話し」(ベンジャミン・アペル)、
「怖れの香り(smell of fear)」(レイモンド・チャンドラー)のようなものがほのかに
漂っていなければならない。

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by office_bluemoon | 2011-08-17 08:19 | 翻訳シャドーボクシング(試訳)