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逢瀬


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ひとめぐりして、の逢瀬

蒼白く満ちる月、
花神に頬をうずめる。

抱擁。
たぎるいのち。
静かな熱情。
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by office_bluemoon | 2010-03-31 08:02 | ぜんぶ月のしわざ

『マジック・キッチン(魔幻厨房)』

中国・韓国映画を観ていて時折囚われる、
不思議な感覚。

そこに見いだせるのは、多くの場合、
未来ではなく、過去だ。
いつか観たことがある。
それでいて、
見慣れたものとは質を異にする、人やもの、空気。

俳優たちの顔や姿かたち、町並みは、
西欧人のそれよりも私たちにとても近しい。
それなのに、切り取られた風景、
人々の佇まいやしぐさから異国情緒が薫る。
かけ離れたエキゾチシズムではなく、
初めてだけれど、懐かしい何か。既視感。
そんな混乱、軽微なショックめいたものが愉しい。
そして、それは決して居心地の悪いものではない。

長らく観る機会のなかった中国(香港)映画、
『マジック・キッチン』を観てその感覚が蘇った。

サミー・チェン扮する女性シェフ、ヨウは
やはり料理人だった母親から、
プライベート・レストラン(私房菜館)と
秘蔵レシピを受け継ぐ。一見頼りないけれど、
ヨウを日夜励ます、アシスタントの
クーリー。さらにヨウの脇を固めるのが、
華やかな業界で働く恋多き女友達のメイとクワイ。

料理人として独り立ちしているものの、
いまひとつ自信と情熱がくすぶったままの
ヨウに、日本の料理人対決番組出演の声がかかる。
打合せのための出張先東京で、
元カレのチュアンヨウ(アンディ・ラウ)に
五年ぶりに出会う。
喜びもつかのま、彼は親友の美女メイとつきあい始めた。

千載一遇のチャンスを前に、滑稽なほど
おろおろするヨウを見守る、クーリー、
肉食系で奔放なメイとクワイ。
料理のシーンを散りばめつつ、繰り広げられる
「恋の空騒ぎ」的スラップスティックからは
何ら新奇な主題は見出せない。
手堅い、間違いない、あるいは陳腐といってもかまわない。

それでも、この映画の魅力は損なわれない。
香港と東京という都会でも、
冒頭に書いた既視感はそのまま
低重奏音のように響く。
活気のある街角。聳え立つ高層ビル。夜景。
俳優たちの、親しみある東洋の風貌と、
西欧風の所作の(日本人から見ると)特異なミスマッチ感。
その懐かしいけれど新奇な刺激が次々と押し寄せる
テンポの良さが、ストーリー展開の多少の粗さを
埋めてくれている。

見慣れた新宿や新橋の町並み、
ラーメンの屋台やローカル線の小さな駅も
生活感のないキッチュな舞台セットに
変わってしまうのも痛快。
東京に慣れ、その中で疲弊しきっている視点では
このファンタジー感は描けない。

女優陣の個性が出た洒脱なファッションも
ファンタジーにとびきりの極彩色を添える。
着こなしだけではない。
アメリカ、よりもヨーロッパ映画の女優を思わせる
表情や所作の陰影にも魅せられた。
親しみある東洋の顔立ちのどこから、
この依存なき健やかなる色気は生まれるのだろう、と。

見慣れた風景を万華鏡越しに眺めたような
愉快な眩暈。思えば、この万華鏡的ファンタジー、ともいえる
カオスが華やかなりし頃の香港の、東京の魅力だった。

人はなぜ映画を観るのか。
その問いへの答えのひとつは
間違いなく、今生きている場所とは違う世界を観たいから。
若人は未来を、そうでないものは過去を
覗き込みたくて、映画にすがる。
そう。私はこの映画に、既視感を探した。
元気だった頃の東京、人々の面影を探す
ノスタルジア、というところが、少々うら寂しい。
仇花のようだった東京が遠い昔に感じられる私は、
もはや若者ではないのは確かだ。

自分を含めて人々にも、都市にも、この軽妙な
ヴィヴィッドさが戻るのか。
新世紀明けて間もない香港。
仲間の誰かがいつも
ほかの誰かに胸焦がしている年頃。
「夢の相手」を飽かず追い求める
若者たちに、その答えを探そうとするのも悪くない。







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F4 Film Collection マジック・キッチン (初回限定豪華BOX仕様) [DVD]

ワーナー・ホーム・ビデオ


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by office_bluemoon | 2010-03-30 00:09 | Life is Cinema (映画)

見上げる


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ほんとうにたいせつにしているものは、
形もなくて、
目にも見えなくて、
高いところを漂っている。

だから、それを横取りしたり、
傷つけたりすることなんて、
できっこないのです。

おあいにくさま。
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by office_bluemoon | 2010-03-29 09:01 | 迷路に遊ぶ(おもふこと)

cherry lane





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そこに確かにあるのに、
留めておけないものの儚さ。
玄妙。
泣きたくなるほど。
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by office_bluemoon | 2010-03-28 00:22 | 迷路に遊ぶ(おもふこと)

優しい気持ち(Al KooperとChaka Khan)


いかんなぁ、
優しくて可愛げあるひとにならないとなぁ、というときの
応急措置に使う曲、古典から二題。

* 応急措置であって、持続性はない。


"Jolie" (Al Kooper)











アルバム「Naked Song (邦題:赤心の歌)」一曲目。

Jolieに恋をした男の有頂天。
「君の面影がどこにいっても、離れない。
いったい、どうしてくれるんだい?」と
どうにも止められない苦悩を歌う。

そこまで聞き取れなくても、
時々かすれる声が真に迫るのは、
Al KooperがあのQuincy Jonesの娘、Jolieと
恋に落ちてメロメロの中、書いた曲だから。

スカート翻して走り去る、
コケティッシュな
ファム・ファタール(femme fatale:運命の女性)を
思い浮かべる。







"Through the Fire" (Chaka Khan)

こちらの曲は危険な橋を渡る関係のよう。
それはさておき、
ひとえにChakaの声に滲む肉厚の慈愛、
包容力に心ほどける。












聴いている間とそのあと10分くらいは、
優しいひとになろう、と素直に思える
即効性ある常備曲。

繰り返すけれど、
持続性が15分ないのは、
曲のせいではない。
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by office_bluemoon | 2010-03-27 11:25 | 私的juke box(tunes)

晩霞三景


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栄枯盛衰。
いまや、桜の番。





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人造物の螺旋と直線。
自然物の曲線。

暗喩と直喩。
無限と有限の相対。
実存。





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ミラーに映った
この人は、本当にそこにいるの?

パラレルワールドの入り口?、と
すごくどきどきして振り向く
幽玄の刻。
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by office_bluemoon | 2010-03-27 10:33 | 迷路に遊ぶ(おもふこと)

雨桜


都内某所交差点にて。
Sade新譜、70年代Stonesなどを骨の髄まで。
終電ぎりぎりまで。

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さめざめと降り込める雨も止められじ 今を限りの妖花のほのお





















































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by office_bluemoon | 2010-03-26 12:22 | 歌詠み

rain, rain, rain


降り込められている。
幾重にも重なったいにしえの記憶に
緩やかにしみいっていく
柔らかな、さめざめとした雨。

雨三題。


"Have You Ever Seen the Rain?"
(Creedence Clearwater Revival )


















"Raindrops Keep Falling on My Head"
(Ben Folds Five)
BJ Thomasによる
映画サウンドトラックは不朽。
敢えて、こちらを。

















マイナーな一曲だから、ますますbootlegな動画だけれど。

"Walk between the Raindrops"
(Donald Fagen)









明日はきっと青空。
鳥が啼き、
花たちが今を盛りに
陽を浴びる。

それまでは、
雨が連れてきた
特権的孤絶を
マグを片手に
弄んでいるのも悪くない。
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by office_bluemoon | 2010-03-25 10:18 | 私的juke box(tunes)

a road


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感性を灯明に。
自分の居場所は自分で拓く。
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by office_bluemoon | 2010-03-25 00:03 | 迷路に遊ぶ(おもふこと)

revenge


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Tシャツをいただいた。
メッセージ。
"Living well is the best revenge"
出典不明の諺だという。

これを、
「優雅な生活が最高の復讐である」とした
タイトルの本もある。

「優雅」を「すこやか」とか
「幸福」に置き換えてもいい。

リベンジ、とするのならば
艶然と微笑みながら、
(ここ、「艶然と」、がだいじ)
誰よりも享楽的に
ひと刺し、ふた刺し。

覚悟あそばせ。
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by office_bluemoon | 2010-03-24 09:42 | 泡沫を掬う(忘れたくない言葉)