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庵を結ぶ

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わらわらと集まる
ちびっこギャングがおずおずと
差し出したタンポポのブーケ。
ご近所の人にいただいたおむすび。
ミントを浮かべたハーブティ。

山を背にした谷戸(やと)に。
知人の手作り小屋を訪ねる。
廃材や流木を使った家具と雑貨と
古書に囲まれる。

壁にいつもあることば。
"Simple is More"。


本6冊と
1969年刊のELLEを抱えて
坂道を小走りに帰る。

ほくほく感たるや、
ハチミツ壺を抱きかかえた
こぐまと張り合えたほど。
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by office_bluemoon | 2011-04-30 09:03 | 迷路に遊ぶ(おもふこと)

ポストカード販売@鎌倉 aji-co さん

大切なのは、継続すること。

東日本大震災チャリティー、という
Team Mの趣旨にご賛同くださった鎌倉のセレクトショップ
aji-coさんがお店でポストカードを取り扱って
くださることになりました。

店長の石井さんのご協力とご厚意を得まして、
本ポストカードの売上は全額、
東日本大震災支援の義援金として
日本赤十字社に贈られます。



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aji-coさんに行くには鎌倉駅西口の改札(八幡宮と反対側)を出て
左手に。
風情ある御成通りを5分ほど歩いた左手にお店があります。




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緑のアーケードとウッディ調の店内が目印です。

アジア・ヨーロッパを中心に、
こだわりで選んだ雑貨・洋書などが
丁寧にディスプレイされています。



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こんなPOPも作っていただきました(ありがとうございます!)。



ポストカードは時々、入れ替える予定です。
鎌倉にお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。




aji-co 

鎌倉市御成町5-25
0467-24-9656
定休日水曜日
営業時間 :11:00- 17:30
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by office_bluemoon | 2011-04-29 00:38 | 写真展

えらばれしもの 上原 ひろみ x 熊谷 和徳 @ Blue Note東京

いまやグラミー賞ジャズピアニストの上原ひろみと、
日本が誇るタップダンスの気鋭 熊谷 和徳の恒例のステージ。
たった今、U Streamの無料配信を観終わった。
毎回完売のこのコラボレーションを
東日本大震災支援のために、Blue Note東京で行うことが急遽決定。
最終日のセカンドステージのみ、
まさかのUStreamで全世界に無料配信。

ピーク時は視聴者8 ,000人。

ツイッターでその瞬間に
同じステージを観ている人々の無音の声が見られて、
感動の相乗効果があったのが面白かった。
同時刻、ファン友人(この友人が2年前のライブに連れて行ってくれた!)が
「イヤホンするとすごいよー」情報を携帯メールでくれたり、
ツイートの「部屋の電気消してお酒飲むとサイコー」という発言続出に
つられて、キッチンに飲み物を取りに行く人が引きも切らなかったり。
「888888」が、拍手を意味する(「パチパチパチ」!)とは
途中までわからなかった!

あの二人のガーシュインを観たら、漫然と生きていることなんて、
できなくなる。

何であろうと喜びをもってことを成せる者のみが、
神の領域に近づけるのだ、と思う。
そしてその喜びやパッションに罪悪感を感じたり
ブレーキをかけることなんてしてはならないのだと思う。





Blue Note東京の紹介ページ:

 (音がでることがあります)
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by office_bluemoon | 2011-04-28 00:03 | こころ、泡立つ(events)

fragments


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忘れることで、前に進もうとする自分がいる。
忘れてしまうのを、許さない自分もいる。

とめどない記憶のかけらを整理しながら
迷ったり、力を得たり、
涙を流したり、光をふたたび見いだしたり。
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by office_bluemoon | 2011-04-27 12:13 | 迷路に遊ぶ(おもふこと)

車窓から

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by office_bluemoon | 2011-04-27 09:08 | 迷路に遊ぶ(おもふこと)

just like Hemingway...

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カメラと
おととい買った古本を
バッグに放り込んで、
コインを握りしめて
朝早く出かけました。




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ヘミングウェイをさがして?
あるいは私の脳内ロバート・キャパを追って?

写真のことで。
次のミッション動きだしました。
またまた、ご協力を仰ぐかもしれません。
詳細はまた、近日まとまってから!
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by office_bluemoon | 2011-04-26 16:51 | 写真展

green green

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***
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by office_bluemoon | 2011-04-26 08:21 | 刹那を留める(タイトルのみ)

『アメリカ、家族のいる風景』

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エドワード・ホッパーの画が好きだ。
人気(ひとけ)のないストリート。
素っ気ないのか人情味があるのか
入ってみないとわからないようなダイナー。
ぽつねん、と佇む人。

ヴィム・ヴェンダーズとサム・シェパードがその静止画に
人物を配置して、映画にしてしまった!
そう思っていたら、英語版のジャケットは
まさにそのホッパーの画*だった。
ホッパーの画にインスパイアされて作られたのだそうだ。

まず、余白こそが饒舌。
空間のバランスが絶妙。
中でも、サム・シェパードが
路上に捨てられた花柄の長椅子に
日が暮れても座り続けるカットは秀逸。
あの数分間だけでショートフィルムにできるほどだ。

色彩にも特色がある。
空と赤土の色をベースに、差し込まれる色は、
自然からのそれよりも、
ブリキやペンキ、プラスチックが朽ちていく途中の
中間色。
風化していくしかない、滅びの美学。
アメリカ中西部の風景。

そして、家族のきずな。
茫漠とした風景の中だからこそ、
よるべなく、脆く、温かい。

落ちぶれた西部劇スターを演じる、サム・シェパード。
ジェシカ・ラングは、片田舎のダイナーのウエイトレス。
皺の刻まれたサムとジェシカの顔を
感興を持ってしみじみと眺めてしまう。

サム・シェパードとヴィム・ヴェンダーズのコンビが
織りなした『パリ・テキサス』は、もう
30年近い昔のこと。

アメリカがただただ光り輝いて見えた、
1980年代。
未来は右肩上がり以外ないと信じこんでいた。

だから、あの『パリ・テキサス』に漂う
無常感は、
今考えると当時のわたしには
未だ味わったことのない感傷、
憧憬でしかなかった。

大人になったらできること、出会うことへの
想像の余地が
過去への懐古よりも多いのが
若さの特権だった。


あの頃から30年近くが経った。
アメリカも、わたしの住む世界も、わたしも
サム・シェパードもジェシカ・ラングも
歳を取った、という事実に
静かに身を浸していった。

黄昏を静かに見送るのは
決して酷いことではない。
むしろ、
喪失の痛みを知るからこそ
甘やかで美しいことを認めざるを得ない。





*
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原題: "Don't Come Knocking" (ノックしにこないで)


























































アメリカ、家族のいる風景 [DVD]

TCエンタテインメント

スコア:




















(2011-C12-0424)
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by office_bluemoon | 2011-04-25 09:38 | Life is Cinema (映画)

『NINE』

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ブロードウェイ・ミュージカルの映画化。
そもそもフェリーニの『9 1/2』のリメイク、ということも
知らなかった。それでも、イタリア語訛りの英語が
耳に心地よく(なぜだかラテン語圏訛りの英語に惹かれる)、
なんだろう?と出だしからぐっと惹きこまれた。

年端のいかないひよっこたちを束にした、のではなくて
こんなに豪華な大物女優をこんなに惜しげなく
起用できてしまうことに、ただ、ただ、驚愕。
これを見ているだけで、飽くことはない。
さながら、視覚の満漢全席。




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やはりペネロペ・クルズが登場すると画面から目が離せない。
存在感ではソフィア・ローレンが圧巻だけれど、
ペネロペの美しさとプッツンさかげんも負けていない。


なんでこのしょうもない男に?と
たびたびつぶやきたくなる主人公を演じた俳優が
ダニエル・デイ=ルイスであったことを
最後の最後に知る。
一分の隙もないいい男、というより
すごく気になる男、を好演していた。

正面からのショットよりも
憂いを帯びた横顔の見せ方はさすがだし、
コートの襟の立て方、着こなしは
やはりヨーロッパの俳優、と感心する。
男のダンディズムやエレガンスは顔の造作よりも
佇まいや物腰に醸し出るのだと思う。

"Take off your clothes."という冒頭の台詞が印象的だった
『存在の耐えられない軽さ』で見せた線の細さはもうないけれど、
あのときの外科医の危うさ、は健在だった。

主題歌を始め、音楽もどれもいい。
ダンスの巧みさにかけては、もう、言葉もない。
現実から離れた幻惑感を味わいたいのなら、
超絢爛豪華な万華鏡のような、
虚構に徹したこんなミュージカル映画が
一番だと思う。


最後に、
「世界は男と女と愛でできている」というコピーは、絶妙。

「おだまり!あたしゃあんたに惚れたのよ」、なんてタンカを切りそうな
いなせで百花繚乱な
この映画のノリとエッセンスが過不足なく凝縮されている。































(2011-C10-0412)




NINE スペシャル・エディション [DVD]

角川映画

スコア:


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by office_bluemoon | 2011-04-24 09:39 | Life is Cinema (映画)

無用の用

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このエッセイは『無用の用』、という題を与えられて書いたものです。

この状況の中、そして今も続く災厄を考えたら
何とのんきで不謹慎な、というお叱りを受けたり、
不愉快に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、これもあの日のひとつの事実です。
事態の全容が皆目わからないなか、
初めて遭遇する事態におののきながら
その晩考えたこと、そしてこの先も覚えておきたいこと、と判断し
ここに残すことにしました。





  「それでは、なにとぞよろ―」までタイプしたところで、目の前のモニターが真っ黒になった。

 かけていた音楽が途切れ、冷蔵庫のモーター音も止んだ。多くの人が述懐するように、
起こっていることがすぐには理解できなかった。

 そのとき私は自室でパソコンに向かっていた。地震の強さよりも、それが長く続いていることに慌てた。
バスルームに向かったが、壁に手をつかなければ歩けなかった。蛇口をひねる。ありがたい。
まだ水は出る。そこからバスタブはもとより、家じゅうのありとあらゆる容器―ラーメン丼にまで―
水を溜めだした。
 携帯ラジオを取りだして、周波数を合わせた。大変なことが起こったのを知った。
となると停電はすぐには復旧しない。アウトドア用グッズを物置から出した。額にバンドを巻いて使う
登山用懐中電灯や、マウンテンバイク用のヘルメットはこういうときに使える。アーミーナイフも
手元にあったほうが良い気がした。マッチやライター、電池やロウソクの残りも
チェックした。お湯がまだ出るから、湯たんぽも役に立つ。
使うとはとうてい思えなかったけれど、軍手とブルーシートも出してみた。
履きやすいスニーカーを一つだけ選んだ。
それらを部屋の真ん中に集めて、ちょっとした一泊遠征セットのような支度を整えた。
 携帯電話はずっと通じない。都内勤務の家人はきっと帰ってこられない。その朝のことを、
思いだそうとした。けんかはしていなかった。よかった。食材は、今晩ひとりぶんなら十分あった。
 そこまでやっても、何か備え忘れていそうな強迫観念のようなものに駆られて外に出た。

 街頭の拡声器からは、海岸に近付かないよう注意を呼び掛ける声が流れていた。信号機は停止し、
往生した車の列に、警官がホイッスルで指示を与えていた。コンビニの照明は消えていたが、
ぼうっとした人たちが三々五々集まり、携帯電話を片手にペットボトルやカイロをカゴに入れて
店内を徘徊していた。私も携帯カイロ二個とすぐ食べられる菓子パンをカゴに入れた。
さらにさんざん迷って、カップ麺を二個だけそこに加えた。
 家に帰ると、陽が傾き始めていた。あとは明るいうちにできることをやっておこう、と暗がりでの
歩行の邪魔になりそうなものを片づけた。毛布や上着、雨具も選んで部屋の真ん中のテーブルの上に
積んだ。夜は長くなりそう、と読みかけの本もその脇に数冊積んだ。万全のように思えた。
 それでもなんだか落ち着かなかった。あたりがだんだん薄闇に包まれ、遠くの方でサイレンが
聞こえ始めると、ますます部屋でじっとしているのが不安だった。私はふたたび帽子と
財布を掴んで、外に出た。

 さきほどのコンビニは、今度は見たこともないほど混んでいた。惣菜や弁当、パンの棚は
ほとんど商品がなくなっていて、レジの前には長い列ができていた。わざわざ戻ってきたくせに、
私には今何が必要なのかがわからなくなった。暗い店内で辛抱強く並ぶ親子連れや
女子高生たちをしばし眺めていた。


 結論からいうと、この晩最も役に立ったのは、二度目に買ってきたものだった。そして不謹慎にも、
予想よりも快適に停電の夜を過ごした。私が結局選び取ったのは、ウイスキーだった。
 なぜだか売れ残っていたスモークタンとチーズも買った。電池やカイロがない、水がない、と苦情が
飛び交う中、この三点しか買わなかった客はすごく浮いていたと思う。でも、私の理屈はこうだった。
この晩を境に世界がいったいどうなってしまうのか、いくら考えてもわからない。悩んでも事態が
好転しないのなら、この晩をやり過ごすことに集中しよう。それもできるだけ愉快に過ごそう、と思った。

 毛布を寄せ集め、湯たんぽを抱えて部屋の床に座っていた。ラジオからは、津波、とか、
首相の緊急指令、とか、原子力、とかなんだかH・G・ウエルズの『宇宙戦争』みたいな、
べらぼうなことばが錯綜し、知ったとて、今の私には救いにはならないことをやがて悟った。
その後はずっと、i-podでジャズを聴いていた。ロウソクの灯りで、本を読んだ。
 よりによってその時読んでいたのはスターリン時代のロシアを描いた本で、
しかも肺も凍りそうな極寒のロシア大陸を追手に追われたり飢えが続く箇所で、
虚構と現実の距離がそのときはあまり離れていないように感じられたのが辛くて、
よりによって、と、泣き笑いしたくなった。最初は集中できなかったけれど、
ウイスキーがまわってきて、やがて物語に入り込んだ。そのうちに眠りにおちていた。

 この晩こういうふうにしてこの本を読んだことは、ずっと覚えておかなければ、と強く思った。
危急の用を足せるものが揃っていたから、影響はこの程度であったからこう言えることでは
あるのだけれど。
 持ち物をミニマムにして、すぐに必要なものとそうではないもの、を同じ次元に並べて
置けなくなったときに、くっきりと寂しさを感じた。その寂しさがきっと、私を二度目のコンビニに
向かわせた。いの一番に必要なもの、と、すぐには役には立たない
一見無用に思えるものが混然と存在していたごく普通の毎日が愛おしく思えるようになったのは、
あの晩以降のことだと、私にははっきりと言える。
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by office_bluemoon | 2011-04-23 01:03 | ほんの習作(掌編・エッセイ他)