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twilight express

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もろもろをこなし、
東京駅を4時半過ぎに出て、
リクライニングに身を沈める。

つつがない、なにごともない、ことを
「無事」というのだなぁ。
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by office_bluemoon | 2012-12-28 09:23 | 迷路に遊ぶ(おもふこと)

It's just an ordinary day.

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本に関するセミナーに参加。
プレゼント交換に
予算1000円程度の本をご持参ください、とあった。

当日、やっと選んだこの上下二冊。

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『ナショナル・ストーリー・プロジェクト I/Ⅱ』 ポール・オースター。

(以前にこのブログでも、紹介)

★★


本の紹介を、といわれた。
最初は少人数のグループでプレゼン。
その中から人気投票をしたら、
なぜか選ばれて
参加者全員の前でも再度プレゼンした。



事前にほとんど準備していなくても、あがり症でも、
(ほぼ)よどみなくことばが出てきた。

人に伝えたいこと、というのは、
実は今いちばん自分がかみ締めたいこと、だった。


***

この時期、ギフトを買わなければ、何かスペシャルなことをしなければ、と
プレッシャーに押しつぶされそうになったりしていませんか?

確かに、スペシャルな一日、というのも必要なのだけれど、
人生というのは実は、さしたることもなく過ぎていく
普通に思える一日が積み重なって
できていくものなのだと思います。
普通に朝、『いってらっしゃい』と見送られ、
会社で上司に叱られ、クレームの電話に頭を抱え、
帰り道に同僚と
居酒屋でバカ話をして憂さを晴らし、
へべれけになって夜半にそうっとたどりつく我が家にはとっくに寝息を立てている家族がいる。
大きなイベントも、サプライズもなく、ただ淡々と時間が過ぎていくように思える一日。


そんな、名もなき普通のアメリカの人々の、
少しだけ情けなく、暖かく、みっともなくて、それでいて懐かしい、
本当にあった話がたくさん詰め込まれています。

この本は、アメリカのラジオ局がリスナーから公募した
実際にあった話を、作家のポール・オースターが選んで、編集したもの。
そして、アメリカでは偶然に、あの911の二日後に、この本は刊行されました。

ここに登場するような、普通の人々の日々の営みが
突如絶たれてしまうのはどういうことなのか。
そのことに共感するには、あまりにも意味の深すぎるタイミングでした。

短いものは1ページ足らず、長いものでも十数ページ。
思い立ったときに、夜眠りにつく前に、ふと手にとって見るのにちょうどよい本です。
ときには、世界から隔てられているような気持ちがする日もあるかもしれない。
人は誰しも完全ではない。
完全ではないからこそ、日々なすことに、意味がある。
特別ではない、なんでもない一日がいとおしくなる本です。


***

この本があたった男の子が大喜びしてくれたのはもとより、
ファシリテーターや主催スタッフ、参加者数人にも、
「読みたい。欲しかった。買います!」、と口々に言われて
嬉しかった。


世代や国を超えて共感を呼ぶ、
人にぬくもりを伝える本をやっぱり作りたい、と強く思った。


私には、絵本が。
見た瞬間に狙っていたものだった。
やった。(引き寄せ力!)

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「急行『北極号』」 C.V. オールズバーグ 作  村上 春樹 訳


絵本を自分で買うことはほとんどないだけに、
しんそこ嬉しかった。
しかも、昨日の今日、で、ハルキ訳!

すぐに読み終えるのがしのびなく、
まだ開かぬまま、表紙を飾っている。
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by office_bluemoon | 2012-12-23 12:27 | こんなもの、読んだ(本・雑誌)

『自由への一歩』 Road to Freedom ロバート・ハリス

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ロバート・ハリスさんに、新刊本をいただく。

ライフワーク、とされている英語の格言を集めた
『アフォリズム』に続く、
反骨精神あふれる反逆者たちの言葉を集めた
『自由への一歩』

今回は、お友達のフォトグラファー、とくに、
昨年逝去された親友のCHADAさん作品とのコラボレーション。
言葉と写真のマッチングにツイストが利いているところが
ハリスさんらしい。



英語の警句と訳を読んでいてとくに勉強になるのが、
最後に必ずニヤリ、としてしまうユーモアのスパイス。
「はずし」の部分。

窮地のときにこそ、の
この粋や洒脱は、まさしくハードボイルド。
常に憧れである。






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自由への一歩

ロバート・ハリス / サンクチュアリ出版

スコア:


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by office_bluemoon | 2012-12-23 12:16 | こんなもの、読んだ(本・雑誌)

a portrait

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ふらりと入った古道具屋で、サイケデリックな古着を胸に当てて
鏡の前に立ったときに、鴨居の上に飾られた
このポートレートと目があった。

今までこの人の特集記事は
つぶさに目を通してきたつもりだけれど、
このカットは見たことがなかった。
表情と腕の筋肉がいい、と思った。
どの作品を書いたあとだろう、と考えた。
しばらく黙って、見とれていた。

「いいでしょう?知らない人は、だんなさん?って聞くけれど、
だんなさんのはず、ないわよね。大好きなの。
あたし、ハルキストなの。
撮っていいわよ、写真」

店の女あるじは、きつめのパーマに
カラフルなメガネをかけたおばさんだった。
そこから、一番最初に読んだ作品は、とか、
翻訳事務所とか、井戸とか、いるかホテルとか、
マラソン、とか、
ファンにしかわからない符牒を出し合った。

マイ・ベストは、と問われて
『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』、と私は答えた。
あの物語に出会わなかったら、
あの主人公に出会わなかったら、
平日のこんなへんな時間に、こんなところをふらふらと歩いている
今の私は存在しえなかったと思います、とはなはだ不十分な説明に、
おばさんはにっこりと微笑んだ。

サイケデリックな古着は、買うことにした。
630円。


ハルキがいてくれたから、本が出るたびに幸せだったし、
おばさんの息子も深い哀しみから立ち直れたの、とおばさんは言った。
だから、がんばるのよ、と、励まされた。
戸口でもう一度振り向いたときに
「会いたくなったら、また見にいらっしゃい」、と言われた。


来るべきときにたどりつく場所があり、
会うべき時に会うべき人がいて、
その集積の端っこに今がある、と思った。

誰にわかってもらわなくてもいい。
援護してもらわなくてもいい。
見かねた多くの人が
手を差し伸べてくれた。
その人たちがいなかったら、
私はたぶんぺしゃんこになったままだったと思う。

それでも自分が選んだことの結果はすべて、
よいことも、悪いことも、
時間がどんなにかかっても、
なんとか引き受けてきた。

夢見がちのままここまでたどりついて、
今、ここで生き延びていることじたいも
イリュージョンかもしれない。
それでも、このまま顔をあげて前に進むしかない。
選ばなかった道のことは、考えてはいけない。
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by office_bluemoon | 2012-12-20 20:42 | こころ、泡立つ(events)

standing and drinking

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ほんの立錐の余地を見つけ
かじかむ手でグラスをつかみ
人々の話に耳傾ける。

無頼を気取ってみる
師走の立飲み屋。
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by office_bluemoon | 2012-12-19 10:54 | しみじみのごちそう

Natale! (Canzone di Natale)

英語ではないクリスマス・ソング(Canzone di Natale)も。






こちらはヒット曲を、クリスマス用の歌詞に(英語)。





Buon natale a tutti!
(Merry Christmas to you all!)
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by office_bluemoon | 2012-12-15 22:16 | Mario Biondi !!

a toast on Friday

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適切な温度に冷やした薄いグラスに
ゆかしき作法で注げば、
ビールの泡だってかくも美しく残る。

金曜日の夜、
大好きな白ビールを、大好きなBook Barで。
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by office_bluemoon | 2012-12-15 13:26 | しみじみのごちそう

shooting stars

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びゅんびゅん見える!とのメッセージを見て
ダウンジャケットを羽織り、ストールでぐるぐる巻きにして
ウイスキーの小瓶を掴んで、慌てて外に。

空を横切る音が聞こえないのが不思議なほどの、流星群。
真夜中のまよいびと、ひとり。

でも、この瞬間、この星降る空を
飽くことなく眺めているのは、わたしだけじゃない。
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by office_bluemoon | 2012-12-14 10:23 | こころ、泡立つ(events)

a gift

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久しぶりに母と弟と食事。

七十歳過ぎの母から、弟とお揃いで巨大マグカップをもらった。
弟とお揃いのものを持たされるのは、何年ぶりだろう。
いや、生まれて初めてかもしれない。

子供らしい柄に、苦笑した。
懐かしいような、泣きたいような。

八つ年下の弟もことし、
長年向き合っていたことが形になった。
もろもろのお祝いの会食。


要領が良いとは決していえない姉弟の、
ささやかな記念カップ。
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by office_bluemoon | 2012-12-12 12:00 | をかしきもの(goods)

a jazz cafe. (野毛 『ちぐさ』)

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ジャズ喫茶は、ずっと憧れだった。
学生時代から
ジャズに親しんでいたという友人と、伝説の店へ。

夜が深まるとともに、続々と入ってくる、常連客。
たいがい連れもなく、ひとりコーヒーを前に、
眼を閉じている。
子供の象くらいの高さと幅のある
巨大スピーカーから流れる音にあわせて
体を揺らす。会話はない。


ミルクティーを飲み終え、
外に出て店を振り返った。
琥珀色の光が洩れる窓に映っていたのは
一人客のシルエットばかり。

ひとりひとりがイヤホンをつけている平成のカフェとはまた異なる
群れの中のひそやかで深い孤独。
音にくるまれた愉悦。


* 『ちぐさ』

創立が1933年。
常連客として訪れていた若き日の渡辺貞夫、秋吉敏子、
日野皓正らに「オヤジ」と親しまれた
店主は1997年に他界。2007年に惜しまれて閉店。
2012年、多くのファンの声に応えて、復活。
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by office_bluemoon | 2012-12-06 11:45 | こころ、泡立つ(events)