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潜在意識

昨年末からの読了リストに
くっきりと現れていた、願望。
イタリア周辺の本が、ちかごろ多い。
認めます。
そう、行きたいのです。
イタリアに。

「イタリア語通訳狂想曲 シモネッタのアマルコルド」 田丸 公美子
「シモネッタの本能三昧」 田丸 公美子
「目から生ハムシモネッタの人間喜劇」 田丸 公美子

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(「目からウロコ」を、イタリア語では「目からハム(プロシュート)がとれる」と表現するのだそうです。
そもそもどうして、目にハムがくっついていたのでしょう。)

イタリア語通訳の第一人者。
『シモネッタ』、は、
大親友でもあるロシア語通訳故米原 万理さんが名付け親。
米原さんと並び、学生の頃から、エッセイの大ファンだった。

思うところあって、
10年ぶりにイタリア語を学びなおしている。
幸運にも、田丸先生が代講講師としていらっしゃることになり、
昼食をご一緒できる機会を得た。
事前にご近著をまとめ読み。
スピーディーで冴えた筆致いまなお。
単なる武勇伝に終始するのではなく、
主張がぶつかる場面で、いかにしてクライントさんを満足させ、
自分の身を守るのか、という、
知恵と機転が随所に散りばめられていた。

笑い絶えないお席になった。
聞こえていた以上に、パワー漲る方だった。
頭の回転と機知のはたらきたるや、
タービンが回る音が、聞こえそてきそうな勢いとキレ味。
場の雰囲気を瞬時に読み、ユーモアで人をそらさない魅力あふれていた。
高性能のエンジンと、キレのよいハンドルと、ちゃんと踏み込めばちゃんと応えてくれる
ブレーキを備えた美しいスーパーカー、とでもいおうか。


「ローマ人の物語 上」 塩野 七生
「男たちへ」 塩野 七生

田丸先生にお目にかかる前に、思い出して再読。
古代史の知識はとくに、大いに補っておくべし、と再確認。

「テルマエ・ロマエ I~ IV」 ヤマザキ・マリ 

『マンガは読まない』という数十年の縛りをほどいたと同時に、
このへんから、おおきなおおきな堤防のようなものが決壊した。

いつしか、「テルマエ・ロマエ」よりも、この作品を生んだ
著者のヤマザキ マリさんに強い興味を持つ。
17歳でイタリアに渡り、子供を生み、14歳年下のイタリア男性と結婚。
これまで30カ国以上の国に滞在、生活して、五ヶ国語が読めるのだという。
どこにいっても漫画を描き続けてきた。
型破りだけれど、ブレない生き方が痛快で、
そこから一気にエッセイ・マンガを読みふける。

「テルマエ戦記」 ヤマザキ・マリ
「リスボン日記」 ヤマザキ・マリ
「世界の果てでも漫画描き - キューバ編」 ヤマザキ・マリ
「モーレツ!イタリア家族」 ヤマザキ・マリ
「イタリア家族 風林火山」 ヤマザキ・マリ

「ねばならぬ」、と、「私はこうしたい」とのあいだで
葛藤しつつも、運命を切り拓いていく人の生き方から、
吸収すべきことはいっぱいある。

たまたま「テルマエ・ロマエ」という形で具現したのだけれど、
この人の真骨頂は、日本とイタリア、もしくはラテン諸国との
比較文化論、だと思った一冊は、これ。

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「望遠ニッポン見聞録」 ヤマザキ・マリ 


最後に、
幸福な出会い、と本を抱きしめたくなったのがこの作品。

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「ミラノの太陽、シチリアの月」 内田 洋子 

10の短編集。
イタリアで出会った
名もなき人々の人生のスナップショット。

紡がれた言葉も美しいのだが、
敢えてつまびらかにしない心の動き、抑制された深い感情の
ぬくもりに惹きつけられた。

鉄道駅舎に住むつつましやかな一家を描いた
「鉄道員オズワルド」では、電車の中で目頭を押さえた。
最終章の「シチリアの月と花嫁」では、本を閉じたあとも、
柑橘の香りとアコーディオンの音がまとわりついて離れなかった。




議会総選挙、法王交代、と、
ますます目が離せない。
なんとかして、行く。会いに行く。
ことし。もしくは、らいねん。
潜在意識、おねがい。
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by office_bluemoon | 2013-02-27 11:57 | こんなもの、読んだ(本・雑誌)

Belgium beer と諧謔

ビールはあまり得意ではなかった。
それでも、通の友人が一緒ならば、と、
ベルギービール・バーで手ほどきを受ける。

ヘタウマな絵が笑いを誘う。
フランダース産のビール?
ネロと、パトラッシェ。

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店員さんに好みを伝えて、選んでもらったのが、これ。
「ギロチン」。
名前の由来は、『キレがいい』から、と。
やるなぁ。

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友人から一口もらった「ロシュフォール」10年も、
鼻腔でふわっと花が広がるような。
それでいて、まろやかな繊細な口当たり。

ラベルや、銘柄ごとにオリジナルグラスを使う
こだわりにも唸った。
ビール、という、軽やかな句読点。
力の抜けた遊び心と粋。

壮大なテーマ、もっと知りたくなった。



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by office_bluemoon | 2013-02-27 10:08 | bar talk (boooze!)

all about rum

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"50年を誇るレシピ"のホットラムを注文したら
しゃれこうべジョッキで登場。
ささっているのは、マドラーではなくて、巨大シナモンスティック。

ねっとりとまとわりつく熱風が似合う、
船乗りのお酒。スパイスは冒険とロマン。
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by office_bluemoon | 2013-02-23 22:21 | しみじみのごちそう

『音屋吉右衛門(世良公則 x 野村義男』 2013@STB六本木

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昔、セラさん大好きだったなぁ、なんて、
出かけた時点では、過去形だった。

『平凡』とか『明星』なんて買ってもらえなかったから、
友達に頼み込んで切抜きを集めて、定期券に入れることを
覚えた最初のゲイノウジンだった。

化粧品のCM曲が聴きたくて、
商店街の化粧品店の前で
同じプロモーションビデオを飽きもせず見ていると、
よく母が連れ戻しに来た。

教室でモップを使って『宿無し』をスタンドマイクプレイつきで歌った
掃除時間の思い出も、おぼろげにある。
だけど、男子の誰がやったのかをちっとも覚えていない。
もしかして、ひょっとして
セラ足で熱唱していたのはわたしだったような気もする。


そんなの全部子供時代の思い出、なんて思っていたら、
一曲目、
「あーいっそつかしの」の「あ」の音で、脳髄しびれた。
うまい。いや、アコースティックのせいだけじゃない。
昔より声量も迫力もある。溜めも、艶もある。
野村義男(ヨッチャン!)のトーク、世良さんの男気を立てつつ、軽妙。
最後はまさかの「ナツコ」でオールスタンディング。

北風強い帰り道、斉藤和義カバー曲のこのリフレインが
頭から離れなかった。

ずっと好きだったんだぜ
ほんと好きだったんだぜ
相変わらず綺麗だな


ちょっと強引でくどいほど男くさい
昭和の日本のロッカー。
過去形なんかじゃなかった。
今なおかっこいいセラさんをこの目で見られて、
ほんとうにうれしかった六本木の夜。
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by office_bluemoon | 2013-02-17 00:24 | こころ、泡立つ(events)

straight-ahead

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人のせいにしない。

決めたこと、変えられることだけを、
ただクールに進めていく。
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by office_bluemoon | 2013-02-16 08:06 | 迷路に遊ぶ(おもふこと)

甘いのと、苦いのと。


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夜更けの無人ホームに漂う、梅の甘い香り。
口に運んでは相好崩す、山菜の苦味。





















































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by office_bluemoon | 2013-02-15 10:53 | しみじみのごちそう

ニコラ・コンテ featuring ティル・ブレナー@Blue Note Tokyo

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別に狙ったわけじゃなくて、ヴァレンタインのブルーノートにまぎれ込んで。

クラブジャズ系の音を期待していた
ニコラ・コンテ(ギター)とティル・ブレナー(トランペット)。
哲学的に針が振れたビーバップなり。

この日のスペシャル・カクテル、"African Sunset"。
アマレットとショコラと黒胡椒、意外とオッケーだった。
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by office_bluemoon | 2013-02-14 23:35 | こころ、泡立つ(events)

a crescenet boat

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どこに流れてゆくのか。

水平線ギリギリのところでしばしたゆたっていた、
大きくて真っ赤な三日月の舟。

















































































































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by office_bluemoon | 2013-02-14 07:08 | ぜんぶ月のしわざ

a breakthrough

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かたくなに決めていた。
数十年。
漫画は読まない、と。
きりがないから。時間がなくなるから。
電車の中で漫画を読むのも、
その神経、信じられない、と思っていた。

ところが、禁を破ってしまった。
漫画「テルマエ・ロマエ」四巻分。
イタリア語学校の友人から
「参考資料」として回ってきたのを断るなんてできなかった。
しかも、電車の中で広げて、くつくつ肩を震わせて
笑ってしまった。
第一巻のカバーの核心部分を、姑息にも隠しながら。

よくできていた。
著者のヤマザキマリさんによる日伊比較文化的エッセーも
新しい発見でいっぱいだった。
ヤマザキさんにしか書けない、オンリーワン、の漫画なのだと知った。


映画はすでに観ていた
(意地をはって原作を買わずにいた)。
原作に忠実にキャストを決めたことがよくわかった。
主役の阿部寛は、古代ローマ人風呂設計技師に
苦労してなりきっていたこともよくわかった。
古代ローマ人と、江戸の元禄文化あたりは
実はとても近しいこともわかった。

風呂文化は世界に誇れるJapan standard。
あの映画はまさしく、ユニバーサルな
共感と笑いを嫌味なく供していた。

禁を破ってしまったくだりはさておき。
古代ローマと日本に底通しているかもしれない
ラテン気質が嬉しくなって、
午後の仕事を終えてからぷいっと
日帰り温泉に出かけた。

写真は、温泉にあった壁画。エジプトですが、ご容赦を。
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by office_bluemoon | 2013-02-11 11:42 | こんなもの、読んだ(本・雑誌)

Book Circle 議事録  The God of Small Things  by Arudanti Roi

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2013年最初のBook Club。
またインドの作家に。
Arudanti Roi の The God of Small Things

場所:
Steve家。ドライ(アルコール抜き)のポトラックで。コーヒーとブランチメニュー。

出席者:
Steve   (司会)
Alex
Michele
Reina 

インドの比較的裕福な家庭に生まれた双生児を取り巻く家族の物語。
因習や、伝統など、逃れようのない運命の中で、
満たされない者、失われていくものが次々に登場する。
子供の目を通して物語が進行する部分があり、途中、韻遊びや、
アナグラム(アルファベットの入れ替え)、大文字を多用するなど
ことばの遊びが文中に盛り込まれた独特の手法。
読み進めていくうちに、やがて読者もこの文体になじんでいく。

時系列に物語が進行しない。
重大なことは直接的に記述するよりも、仄めかす、気配や予感に満ちた文体。
その不吉さ、曖昧さゆえに、ときに物語についていけなくなる、という発言が。
何か避けられない、悪いことが起こる予兆が、不安な気持ちを起こさせるため、
主人公に感情移入しないように読んだ、という意見も。

タイトルの、The God of Small Thingsは、大いなる存在(=運命?天の采配?)の対極にある、
日々の小さな喜びや幸せに神が宿る意味ではないか、などとタイトルをめぐっても
さまざまな考察が巡らされた。

ここで、読書会のあり方、本の読み方について、意見が。
好みに合わないストーリーだとしても、主人公と距離を置いて客観的に読むのは
良くないのではないか、と。

私見になるが、ひとつの物語に対して、どういうスタンスで向き合うかは個人の自由でよいと思う。
それがdetachment(距離感を保つ・孤立)であれ、attachment(関与)であれ、
ひとは本を手に取った瞬間に、世界とつながることを選んでいるのだから。


メニュー:

焼きたてのしっとりレモン・スコーン/読書会の間に焼けたフランスパン二種/
前夜から秘伝の漬け汁に浸していたオレンジ・シナモン・ハニー・フレンチトースト/
スモークサーモン(テールの部分)/スモーク・ペッパー・タン/チーズ二種/オリーブ
コリアンダーたっぷりのグリーンサラダにフレンチドレッシング

コーヒー



みんな、おいしかった。
みんな、ありがとう!



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by office_bluemoon | 2013-02-09 17:40 | Book club 議事録