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何の心の準備もなく、出くわした風景。
5月の後ろ髪。
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by office_bluemoon | 2015-05-31 09:35 | こころ、泡立つ(events)

quake

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最初は眩暈かと思ったが、そうではないと気づいた。
この日だったか、といつも思う。

いつか、大きいのがくる。
それが今日だったんだ、と、
地面が揺れる中で考える。

人間の脳というのは不思議なもので、
火の元や水の心配をする頭の片隅で、
悔いたり、回想することができてしまう。

目を見て話せばよかった。
笑ってあげればよかった。
あんなことを言うんじゃなかった。
あのときの後姿が最後だった。
もっと、他のやり方があったんじゃないか。

今日だったんだ、という
諦めが、全身をふわりと包む。

不満や不始末だらけに思っていた
日常のかけがえのなさを思い知る数秒間。

今日だったんですか、と天を仰ぐ。

私はちょっとは、お役に立てたのでしょうか。

済んでしまったことへの後悔でもなく、
起きてもいないことへの心配でもなく、
今、このとき、を
誤魔化さず生きていたか。
裁定を待つような、
刹那にぽつねんとうずくまる。
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by office_bluemoon | 2015-05-31 06:02 | ほんの習作(掌編・エッセイ他)

agua de beber

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レースのような山ぼうし、大輪の栗の花を
眼下に見ながら、
ロープウェーで谷川岳山頂に。

カレーライスに添えられた一杯の水と、尾根に残る根雪は、
つながっている。
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by office_bluemoon | 2015-05-30 08:41 | こころ、泡立つ(events)

my old friend

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夕食を済ませてからふと思い立って、
田んぼを見渡せる丘陵地に向かって車を走らせた。
ヘッドライトを消すと、闇。
怖しい闇ではなく、懐かしい気持ちになる暗闇だった。

少し下げた窓から聞こえてきたのは
競うように、それでもこちらをうかがうように鳴くカエルの声。

カーラジオを消そうと思ったら、トム・ウェイツが聞こえてきた。

人の気配を感じてひかえめに鳴く、カエルのコーラス。
その上に、搾り出すようなトム・ウェイツのヴォーカルとピアノが
ずん、ずん、と重なり闇に沁みていった。

どこで咲いているのだろう。甘い花の香りがした。
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by office_bluemoon | 2015-05-28 15:50 | ほんの習作(掌編・エッセイ他)