きっかけは、たぶんここ
初秋、というにはまだ少し夏の名残が勝っていた
10月の初頭。
潮風にそよぐ松林の中、ゆかしくたたずむ邸宅。
その一部を改装したカフェの奥に、
この一角を見つけた。
建築家、というこの家の
あるじの愛蔵書。
「繰る本」のコレクション。
きっとそれもほんの一部。
本の内容はもちろんのこと。
こんな本を選び、滋養にしてきた人への
興味もとめどなく。
ここだったら、陽だまりに座って
何時間でも過ごしていられそう。
よりすぐりの本を集めたい、という
気持ちがくっきりと輪郭を持ったのは
思い起こすと、ここから。
以来、憑かれたようにブック・カフェ、古本市、
古書店めぐりに終始した10月。
もっと知りたい、佳きものを見つけたい、
空気に触れたい、と
この2週間少しで足を運んだ
本関連スポットの数、約20箇所。
「この衝動は恋ですか?やまいですか?」と
古書の世界への手引きをしてくれた友人に尋ねた。
「それは、たぶんビョーキ。よいビョーキ!」と
友人は笑う。
ところで、一番の聖地であるこの場所には、
「罹患」後はこわすぎてまだ足を踏み入れていない。
もう少し目が肥えてから、1日たっぷりかけて、と
楽しみにとってある。
何に結実させる、なんて分別のある判断は
このさい、あとまわし。
子供のようにシンプルで、強い衝動を抑えるのは
今回はやめてみよう。
心のまま、気の済むまで走ってみて、
目の前に現れたランドスケープを抱きしめよう。
by office_bluemoon
| 2009-10-23 07:00
| 活字に遊ばれ(活字のある風景)