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"ABOVE" - 併せ呑む技法


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一見、モードなこの雑誌。
実はとても明確なメッセージを担う
いわゆる「エコ」雑誌。






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目次。
日本でも著名なところでは、
表紙のエヴァ・メンデス、メディア王のテッド・ターナー、
「ボディ・ショップ」創業者故アニタ・ローディックの娘、
サム・ローディックの名前が踊る。





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ちょっと作風がジョージア・オキーフっぽいけれど。
フォトグラファー、ピーター・ビアードが描く
エヴァ・メンデスとアフリカ。




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ランコムのモデルで女優、ユニセフ大使。
8歳からゴルフをたしなんでいた、というイネス・サストレが語る
環境に優しいこだわりのゴルフ場。





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フィアット王国に君臨した
ジョバンニ・アニエッリの孫、
"eco-conscious dandy"(エコ意識の高いダンディ)ラポ・エルカンは
"ethic business"(倫理ビジネス)を説く。







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グローバル規模の食の危機について。





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人間が海に廃棄したプラスチック片を詰まらせて死んだ鳥。






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ジャガー・ルクルト、ハロッズ、クリストフル、ルイ・ヴィトンなど
そうそうたるブランドに混じって、
あのグリーン・ピースも広告を掲載。


身近に溢れているエコ関連雑誌は二極化していると思う。
質素でシンプル、ヘンプといった自然素材が肌になじむ生活を標榜する一派。
そして、お気楽な消費生活に首まで漬かりながらも、
トレンドだし地球に優しいことを考えてみるかぁ、的な一派。

前者については、あるべき姿が優等生的で
「贅沢は敵」てあるようで、
理想的な暮らしぶりであっても私には窮屈に感じる。
後者については、コース2万円近いフレンチ・レストランの特集と同じ号で
ロハスな生活、ダイエットやデトックスの効能を取り上げている欺瞞、
矛盾に長らく辟易していて読む気もさっぱり起こらない。

シンプルで地球と人間に優しい暮らしと、
活発な経済活動の向こう側に透けて見えるラグジュアリーな生活。
二極化した両者をわりあいと上手に融合できている例は
かろうじて一、二誌くらいしか私には挙げられない。

物欲・知識欲・表現欲など人間の我執(エゴ)と、
環境、エコへの高い意識。
どちらが清くて、どちらが濁っているかの議論では、
もはやない。
片方への固執は、仙人的、求道者のような生き方を
要求されるし、そもそも現実的ではない。
そもそも、現代社会では両方を併せ持っていないと
うまく生きていけない。

それを十分承知して
エゴとエコの両方を併せ呑んだ、誌面の見せ方のアート。

企業の免罪符だ、あざとい、いう向きもあるかもしれない。
"ABOVE"の編集長は最も早急に取り組まなければいけないテーマに
「地球の人口過剰」を掲げている。
この遠大なテーマには、二酸化炭素排出、環境や食料の汚染、
途上国産業の支援といった問題がほとんど抱合される。
正直、書かれている記事に
目新しい話題や突出したものは見当たらない。
それでも、ここまで突き抜けた見せ方ができる美学は
あっぱれだと思った。

がんばれ、日本の雑誌メディア。




"ABOVE" 2009年創刊
by office_bluemoon | 2010-02-21 12:03 | こんなもの、読んだ(本・雑誌)