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"500 Handmade Books"


唇に浮かんだコトノハはいずれ、
露のごとく、砂塵のごとく消えゆく。

ならば、ものがたりを残したい。
時や場所を隔てても、打ち震えるこころを
誰かと共有したい。
それは生命維持の次にくる、ときにはそれに迫る
人の初期衝動、根源的で原始的な欲求。

だから、人は絵だけでは飽き足らず、
文字を編み出した。
次に人は、
コトノハを持ち運びたくなったのだろうか。
コトノハをかたまりとして取り扱える
綴じられた本、という体裁が生まれた。

時空を超えて持ち主が変遷しても
遺されたコトノハたちは
本の扉が開かれるたびに甦り、
繰り返しひもとかれていく。

その行為自身を、
心を籠めてひとつのドラマにまで高め、
演出する芸術。
それが、人の手による製本だと思う。

この本は、ブックアーチストのSteve Miller氏が選んだ
手製本500選。





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綴じる技法、装飾、字体の意匠を凝らす。
紙はもちろんのこと、
ここで使われているのは
皮、金属、石、海藻、ガラス、羽、毛糸、樹皮。
素材の説明を読んでいるだけで、
固定観念が痛快に打ち崩されてゆく。

そうだ。扉が開いた瞬間、
コトノハが喜々としてはばたいてゆくのが
ありありと見えるような。
そんな本がもっと
たくさんこの世の中にあってもいいんだ。


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電脳、ペーパーレス、の時代に敢えて。
綴じられたコトノハにどうしようもなく惹かれ、
本を愛してやまない、すべての友たちに。
























500 Handmade Books: Inspiring Interpretations of a Timeless Form (500 Series)

Lark Books

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by office_bluemoon | 2010-06-10 10:02 | こんなもの、読んだ(本・雑誌)