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So Long Goodbye (『The Long Goodbye - ロング・グッドバイ』)

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71年の作品。
20年くらい前に観ているのだけれど、
どう帰結したのかどうしても思い出せなくて、
ミニシアターに足を運ぶ。
あぁ、そうだった、と、記憶の輪郭をなぞっていく。
原作を読まない人でも、この余白とプロットに
果たしてついていけるのか、
隣席の友人が退屈していないかが気になる。



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文字でしか表出できいない気配、のようなものを
三次元化、あるいは
はっきり映像化してしまうことの難しさにむむむ、と唸る。
とはいえ、原作とまったく別物、だと思えば、中々渋い佳作。

適度にクリスプで、ドライな抑制の効いたクライム・ムーヴィー。
マーロウの台詞はタフでウィットに富むし、
音楽、街並み、ヒッピーファッション、などの
70年代風俗グラフティ的愉しみ方もできる。

ヒロインのニーナ・ヴァン・バラントも、
私が抱く小説からのイメージとはズレてはいても、
美しいファムファタル(悪女)ならではの
見どころをしれっと好演。

(調べたら、クレジットもないちんぴらの中に
なんとシュワルツネッガーがいた!)

チェックポイントはもうひとつ。
フィリップ・マーロウの役は誰が最適だったのか。


私が描くマーロウ像は、
ビッグネームの歴代マーロウ、
ロバート・ミッチャムにも
ハンフリー・ボガードにも重ならない。
独断的採点では、
本作品でトレンチコートは着ずに哀愁の背中を演出した
エリオット・グールドは、ミッチャム、ボギーより
高得点。何より、猫にかまけているのが
とても似合っている。
でも、ぴったり、ではない。

ミュージシャンだけれど、ブライアン・フェリー?線が細すぎる。
ジャン・マイケル・ビンセント?こんどは骨太すぎる。
ケヴィン・コスナー?野趣が足りない。
若いころのアル・パチーノ?濃すぎないか。
マリオ・ビオンディ? 声はいいけど、髪の毛はきっと無造作にふさふさだと思うから、違う。
      っていうか、悪役のほうがはまる。

昔のジャン・ポールベルモント?がマスク的に近いように思うけれど、
ヨーロピアン臭さをおさえられれば、
カリフォルニアの探偵風に演じ切れれば、という条件つき。


脳内シアターに浮かぶ愛しのマーロウの顔には、
依然影がさしたまま。
私はあなたをひっかく子猫になりたいのに。




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アフターシアター:

ボード、ありますよ、と店主が取り出し
はからずの
バックギャモンナイトに。1勝1敗。

バックギャモンって何ですか?、と座に加わった
初心者に教えながらの対戦で、負けた!
初めてって嘘ついてるでしょ?と何度も詰問。

ダイスの神は彼に微笑んだ。
そこから形勢逆転。
手加減するんじゃなかった。
次は本気で。ぜひまた。





























































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20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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by office_bluemoon | 2011-02-17 08:51 | Life is Cinema (映画)