office bluemoon

『映画字幕五十年』 清水 俊二

f0205860_20302594.jpg





嫉妬するほどしびれる、
歴史に残る名台詞はいかにして生まれたのか。
それを知りたくて、古書で入手。

チャンドラー節を期待したのだけれど、拍子抜けするくらい、
ひっかかりのない、読みやすい、健全な文体だった。

やせ我慢の美学、たるハードボイルド、
フィリップ・マーロウの台詞の数々。
これは、マーロウになりきった、
まさしく役作り、ならぬ、訳作りだったのか。

本書をものした時点の
44年間で(曰く、「まだ千五百本にもなっていない」)1,317本の映画字幕を手がけたのだという。

日本における字幕映画の黎明期、「レヴュウ」とか「スタア」が
アメリカから大挙して押し寄せてきた時代を駆け抜けた風雲児。

今よりもずっと不便で入ってくる情報も少なかったはずの昭和が
やけに輝いてみえるのはなぜだろう。
[PR]
by office_bluemoon | 2013-03-12 20:34 | こんなもの、読んだ(本・雑誌)